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レポート2018.04.22ミステリアスな展開から見出す高校生の青春群像。又吉直樹原作『凛』舞台挨拶

4月22日(日)、那覇市の桜坂劇場ホールBで、TV DIRECTOR’S MOVIE『凛』の上映と舞台挨拶がが行われ、池田克彦監督と石田ひかりさん、椿鬼奴が登壇しました。

この作品は「神隠し」というミステリアスな展開から高校生5人の熱い友情を描いた青春ドラマです。ピースの又吉直樹が舞台用に書き下ろした作品が映画化となり、佐野勇斗さんと本郷奏多さんがダブル主演を務めています。

今回、初めて映画のメガホンを握った池田監督は「完成したのが実は2日前で、テープを沖縄に持ってきて編集を続けてました」と明かすと会場からどよめきが。「みなさんの前で映画を流させていただけることに本当に感謝の気持ちしかありません」と語ると満員の客席から大きな拍手が沸きました。

主人公の母親役で出演した石田ひかりさんは「雨の中たくさんのお客さんが来てくださりありがとうございました。池田監督とは以前ドラマでご縁があり、こんな素敵な作品に呼んでいただき、とてもうれしく思っています」とコメント。
一方、主人公の友達の継母役で出演した椿鬼奴は「『女優』の椿鬼奴」と語気を強めると会場から笑い声が。出演にあたり特に準備もしてなかったようで「そのままの感じで意地悪くできたと思っています。憧れの継母役をさせていただいて光栄です」と話すと、池田監督から「意地悪な感じが出てました」とのお褒めの言葉に、さらに笑いに包まれました。ただ、後ろめたさも感じていたようで「(息子役の)須賀健太くんがすごいというか、かわいそうに思わせちゃうんですよね。だから余計にいじめてやろうかなと感じちゃって、須賀くんのおかげでできたと思います」と、須賀さんの演技力が大きく影響していると話しました。

主演を演じた佐野さんからはビデオメッセージのサプライズが。「石田ひかりさんとは休憩時間にたくさんおしゃべりができ、本当の親子のような関係になったんじゃないかな」との告白に思わず石田さんの顔から笑みがこぼれます。
また、電話での参加となった須賀さんからは「こんな晴れ舞台の時に言うことではないですが…雪が積もる3月に川へ入るシーンがあったのですが、ウェットスーツが旧式ですごく冷たかったです」と嘆き節。しかし「撮影のために全員で雪かきをして臨んだことでぐっと共演者とスタッフとの距離が縮まりました」と、映画『凛』組のチームワークを実感した様子でした。

映画化に際しては、池田監督と原作の又吉直樹が綿密に打ち合わせを重ねたようで「又吉さんは、5人の高校生が抱える背景を浮かび上がらせて、それぞれひとりの人間としてしっかり描いてくださいとおっしゃっていたので、そこだけはブレさせないようにすることを心がけました」と、池田監督は又吉から託された熱い思いを語りました。また石田さんは「台本を手にした時、又吉さんは文学的な才能がある方と感じました。5人のかわいらしい青春物語でありながら、クライマックスの展開ではいろんな気持ちが描かれてると思いました」と、作品の内容に感動した様子でした。

最後に池田監督から「キャスト・スタッフみんなの熱い思いが伝わっていればなと思っています。これから本公開に向けてまだ日はありますが、少しでも多くの皆さんに応援していただき、青春時代を過ごした5人と映画を愛していただければうれしく思います」とコメントし、舞台挨拶を締めくくりました。