レポート2018.04.21次世代を担う「クリエイターズファクトリー2018 U-25」グランプリは宮嶋風花監督『親知らず』に決定!
4月21日(土)、那覇市の桜坂劇場ホールCで「クリエイターズファクトリー2018 U-25映像コンペティション」の審査会&授賞式が行われました。次世代を担う25歳以下の若手映像作家の発掘と支援を目的としたコンペティションで、今回は作家同士の交流のため、アジア国際青少年映画祭より中国、韓国、日本の3作品も上映しました。
事前に行われた観客参加の公開審査会では、審査委員長の中江裕司監督をはじめ、柄本明さん、板尾創路、大谷ノブ彦、古賀俊輔さん、菊池智美さん、下地久美子さん、中江素子さん、入澤考権さん、沼尻孝さんの審査員が登場。作品上映だけでなく、会場でのクロストークなどからグランプリと審査員特別賞を選出しました。
グランプリ、審査員特別賞の発表に先立ち、観客賞を発表。西口洸監督の『ED あるいは(君がもたらす予期せぬ勃起)』が選ばれました。審査委員長の中江さんから「審査はたいへんでした。今日の作品を評価するのか、作家の将来性を評価するのかで、意見が分かれるってところでした」と審査の難しさ、悩みどころが語られました。
まず審査員特別賞の2作品が発表され、貴田明日香監督の『憧れ』と西口洸監督の『ED あるいは(君がもたらす予期せぬ勃起)』が受賞。貴田監督は「びっくりです。みんなから気持ち悪いって言われていたので…」と予想を超えた受賞に驚きを隠せませんでした。西口監督は観客賞に続き2冠を獲得しました。
そして、いよいよ2018年のグランプリが俳優の柄本明さんから発表されました。グランプリに選ばれたのは宮嶋風花監督の『親知らず』。受賞に際し宮嶋監督は「ありがとうございます…、…うれしいです」と涙で声がつまるほど喜びが込み上げているようでした。中江審査委員長からは「評価高かったです」と声をかけられ、シーサー型のトロフィーが宮嶋さんへ授与されました。
最後に中江審査委員長から「賞を取った以外の作品も審査員から推す意見が多かったです。どの作品にも可能性があると審査員一同感じているので、作り続けてください」と会場に集まった作家たちにエールが送られました。続けて「受賞監督はここからがプロへの出発点となります。それぞれに課題があると思うので、しっかり向き合って日本を代表して世界に出て行く監督になっていただきたいです」と期待の言葉で締めくくりました。
映画を専門に学んでいなかった自分をアウトサイダーな存在だと思っていたという宮嶋監督は「グランプリを受賞するとは思ってなく、ひたすら嬉しいです!」と受賞の喜びをコメント。さらに宮嶋監督は「いつも上映する時は緊張しますが、今回は笑い声があって穏やかな気持ちで見ることができました。今後は映画監督としても活動していきたいです」と、沖縄国際映画祭の感想と今後の抱負を語ってくれました。